第12回「ファースト・ペンギン」果たせた 高校生がみた政治

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 ツイッターでChris Redfield Kenと名乗る東京都内の高校2年生、ケンさん(17)と、日本若者協議会の理事を務める都内の高校3年生、佐々木悠翔さん(17)に、英語民間試験や若者の政治参加にかかわる経験や考えを聞いた。

――ケンさんは英語民間試験の活用などに抗議の声を上げてきました。きっかけは?

 前々から「大学入試が変わる」と言われていて、どんなものになるのかと思っていました。2019年の夏前に、高校の進路説明会があったんですが、入試改革について「決まっていないこと、分かっていないことが多いから、各自、夏休み中に調べてください」と言われて。ウェブサイトなどを調べましたが、どういった試験をどう申し込み、いつどこで受けるとか、詳細な情報が出てこない。

 スカスカな制度を、予定ありきで進めるのかと不満に思っていたところ、8月16日に当時の柴山昌彦・文部科学相が、英語民間試験について「サイレントマジョリティは賛成です」とツイートし、堪忍袋の緒が切れました。

 だいたい、何をもって「賛成」と言っているのかまったくわからない。あとで知ったのですが、その根拠にけっこう前の調査を引っ張り出してきたそうですね。英語を「聞く・読む・話す・書く」力を測るという理念はよく聞こえるけれど、それを具体化する方法や、準備が足りないから反対している人もいる。「データを好きなように使っているな」という不信感もすごくありました。

 でも、ぼくに火をつけてくれたのは柴山さん。感謝しています。

――以前から、政治に関心があったのですか。

 学校では習っていましたが、正直、それまで政治はよくわからなくて。

 政治家を批判するとか、抵抗的なことは、してはいけない雰囲気があるじゃないですか。みんな学校とか塾とか部活動とかで忙しくて、関心をもつ余裕もない人ばかりだし。「決まっていることなんだから、やめなよ」とか、「言ってもむだだよ」という人もいる。政治に関して批判的なことを言っている人は、あまりみたことがありません。

 でも、ぼくはまだ有権者じゃないけど、消費税も納税しているし、国民の一人です。口を出す権利はあるだろう。これは政治家を責めるべきだと思いました。

――家庭の経済状況や住む地域によって、英語民間試験を受けにくい人が出てくるため、不公平が生じ、格差を助長するとも批判してきました。

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