競泳ヒロイン候補は「骨の女」 誕生日にたい焼きの理由

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清水寿之
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 なんでケーキじゃないの? 24歳の誕生日に練習仲間から手渡されたプレゼントは、皿からあふれんばかりのたい焼きだった。

 競泳女子個人メドレーの大橋悠依(イトマン東進)。てっきり大好物なのかと思って聞くと、予期せぬ答えが返ってきた。

 「卵アレルギーでケーキは食べられない。みんなが気を使ってくれた」

 物心ついたときには、体が特定の食品を拒絶していたという。その数は10品目近い。卵が口に入るとしびれたり、唇が腫れたり。民宿でエビを食べたときには、体中にじんましんが出て家族を慌てさせた。

 2014年に東洋大へ進んでからは食の悩みが増えた。多いと1日10キロ以上泳ぐ。パワーをつけるために体を大きくしたいのに、食べても身にならなかった。プールサイドで行う朝の体重測定。前日より軽くなった自分の体重を見て、泣いた。「増えないのはアレルギーのせいかも」。迷いなく食事をかきこむ周りの選手たちを尻目に、卵抜きのチャーハンを口にしなければならない自分の体質をうらめしく思った。

 それでも、あきらめなかった。

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