教育熱心校、見逃したいじめ行為34件 「教師が多忙」

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高木文子
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 岐阜市で7月、公立中学3年の男子生徒がいじめを苦に自ら命を絶った。金銭の要求や暴力を受けていたほか、トイレで土下座をさせられるなどしていた。ここは教育研究に熱心で、岐阜県内で一目置かれる「実習校」と呼ばれる学校の一つだった。そんな学校でもいじめ自殺を防ぐことができなかったことに衝撃が広がり、岐阜市長はこの制度の廃止や見直しを検討するよう求めた。岐阜県独特とされる「実習校」とは何なのか。授業を取材し、教師らに聞いた。

 10月下旬。岐阜市中心部に近い中学校の3年生の教室に入ると、生徒の机をぐるりと見学者が囲んでいた。身を乗り出してノートをのぞき、うなずく人もいる。

 「実習校」で開かれた社会科の公開授業だ。テーマは、難病の男性が高校入学を拒まれ、裁判をおこしたこと。担当教師は関係する新聞記事を集め、兵庫県に住む男性の母親に会うなどして教材を作った。

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 多くの大人に囲まれて、生徒…

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