養育費、月1~2万円増へ 生活変化、16年ぶり新基準

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北沢拓也
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 最高裁司法研修所が23日、離婚訴訟などで使われる養育費の新しい算定基準を公表する。社会情勢の変化に合わせ、2003年に初めて作られた旧基準を16年ぶりに改定した。新基準に基づく受取額は、月1万~2万円増えるケースが多くなりそうだ。同日から全国の家庭裁判所で利用される。

 新基準は「算定表」の名称で最高裁のサイトで公開される。夫婦の年収や子どもの人数などを当てはめれば、簡単に養育費の基準額を導き出せる。家裁ではこれをもとにして、夫婦の主張などを踏まえて調整し、裁判官や調停委員が最終的な額を決める。

 基準額を算出する計算式は新旧の基準で変わっていない。支払う側の親の年収から、税金や住居費、仕事に使う衣料費や通信・交通費などの「必要経費」を差し引いた額に、平均的な家庭の子の生活費や学費から導き出した係数をかけて算出する仕組みだ。

 だが、必要経費の算出に使う統計データは03年以来、変わっていなかった。子どももスマホを持つようになるなどの生活様式の変化も踏まえると、現状の養育費の額について当事者から「生活実態に合っていない」「低すぎて母子家庭の貧困を招いている」などの批判が絶えなかった。

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