アザラシの大量死、気候変動が引き金? 感染症が拡大

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米山正寛
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 北大西洋でたびたび大きな被害が出た海獣類のジステンパー感染が、今世紀に入って北太平洋にも広がったのは、気候変動による北極海の氷の減少が引き金となったらしい。そんな研究成果を、米英の研究チームが科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。

 ジステンパーは発熱や白血病のような症状を伴うイヌの感染症として知られるが、アザラシなどでも発症する。病原となるウイルスは、イヌジステンパーウイルス(CDV)や類似のアザラシジステンパーウイルス(PDV)などがある。

 PDVは1988年に北大西洋とつながる北海やバルト海の沿岸で大流行し、2万頭あまりのアザラシが死んで欧州を中心に注目を集めた。2002年にも同じような規模で流行し、04年には初めて北太平洋に面するアラスカで、ラッコへの感染が確認された。北太平洋では09年も発生した。

 PDVが21世紀になって太平洋側でも見つかったのはなぜか。

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 カリフォルニア大デービス校…

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