洗った新幹線のボンネット4千両 ムラなくこする15分

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千葉卓朗
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凄腕しごとにん

 セントラルメンテナンス新幹線名古屋事業所 指導係 久木原真さん(55)

 午後7時39分。JR東海名古屋車両所(名古屋市中村区)内の「庫(くら)」と呼ばれる車庫の3番線に、東海道新幹線N700AのG編成が到着した。この日の走行距離は約1800キロ。新大阪―東京間を1往復半し、名古屋着のこだま671号として1日の営業運行を終えたばかりだ。

制限時間は15分

 駅のホームと同じ高さ2.4メートルの「サービスデッキ」では、車両内外の清掃・整備を手がけるセントラルメンテナンス(同)の清掃員たちが待ち構える。全長約400メートルの新幹線の車体の大部分は専用の大型洗浄機で洗うが、平べったく形状が複雑な先頭車の先端部「ボンネット」だけは、人間の手でしか洗えない。清掃員約200人中、この作業ができるのは約50人。その中の指導係4人のうちの1人だ。700系、N700系、N700Aに関わり、これまで洗った先端部は約4千両にのぼる。

 作業は4人1組。1号車と16号車の左右両側に1人ずつ清掃員を配置する。架線を流れる高圧2万5千ボルトの電流が一時的に切れる約15分間が制限時間だ。

ひたすらこする

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 「庫3番線、作業を始めます…

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