拡大する写真・図版 セブン―イレブンの商品を運ぶトラック=東京都内

 セブン―イレブン・ジャパンで発覚した大規模な残業代の未払いについて、会社側は残業代を計算する数式を誤る「ミス」だったと釈明しています。しかし、支払うべき賃金を支払わないのはれっきとした労働基準法違反のはずです。朝日新聞社にはセブンでアルバイトしている人や、かつて働いていた人から多くの疑問が寄せられています。労働問題に詳しい佐々木亮弁護士に問題を整理してもらうとともに、疑問に答えてもらいました。

残業代の計算ミス、実務的にはありえない

――セブンの店舗で働くアルバイトらを雇うのは加盟店で、人件費も店が負担しますが、給与の計算や支払いは本部が代行していました。セブンによると、仕事に熱心なアルバイトらには「精勤手当」「職責手当」が時給に加算されますが、残業代の計算をする際に、この手当に1.25の割増率をかけるべきところ、誤って0.25をかけていたとのことでした。

 「残業代にこうした手当を含めるのを忘れて計算してしまうという例はよくあります。しかし、割増率を誤るという今回のようなケースは初めて聞きました。『こんな間違いをするかなぁ?』というのが率直な感想です」

――どういうことですか。

 「残業代を計算するときは、基…

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