中国初の国産空母、軍事筋「米艦への対応能力上がる」

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北京=冨名腰隆
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 中国初となる国産空母「山東」が17日、海南省三亜で就役した。中国にとって旧ソ連製を改修した「遼寧」に続く2隻目の空母となり、習近平(シーチンピン)国家主席が目指す海洋強国に向け作戦能力を向上させる。ただ、原子力空母など11隻を運用する米国との戦力差は大きく、さらなる建造には課題もある。

 中国国防省によると、就役式典では中央軍事委員会主席を兼ねる習氏ら5千人が見守る中、「山東」の命名証書が艦長らに手渡された。「山東」の所属艦隊は発表されていないが、南シナ海を管轄する南海艦隊に所属するとみられる。

 「山東」は遼寧を基に設計され、排水量は空母としては中型の約5万トン。原子力ではない通常動力を採用する。2013年に着工し17年に進水。その後、試験航行を繰り返していた。

 「遼寧」に比べ甲板面積を広げたほか、搭載可能な艦載機数も24機から36機に増やすなど改良が施された。ただ、米軍などが用いるカタパルト方式ではなく、自力滑走のスキージャンプ方式となった。

 艦載機を加速して発進させるカタパルト方式では重い航空機の運用が可能になるのに対し、スキージャンプ方式は甲板の先端がそり上がる設計で初速の遅さをカバーするものの、艦載機に搭載できる燃料や武器に限界があるとも言われる。

 中国海軍は当面、「山東」を南シナ海を中心に展開させる考えとみられる。中国軍事筋は「南シナ海に接近する米国などの艦船への対応能力は飛躍的に上がる」と分析する。

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■急ピッチ「戦力的優勢」の構…

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