昆虫食、アフリカで進む技術革新 味も結構いけるんです

有料記事

ケープタウン=石原孝
[PR]

 人口が急増するアフリカ大陸の食糧難を解消するのは、ひょっとしたら昆虫かもしれない。たんぱく質が豊富なガの幼虫やアブ、シロアリなどを、食用や飼料として活用する取り組みがアフリカ各地で続々と生まれている。国連も昆虫食の将来性に関心を寄せる。

 南アフリカ有数の観光都市ケープタウン。中心部から少し外れた場所に今年7月、昆虫食専門の料理店が期間限定でオープンした。地元のスタートアップ企業が開店し、店名は「The Insect Experience(昆虫体験)」。スペースは4畳ほどだが、カウンター越しに調理の様子が楽しめる。

 メニューは、トウモロコシとガの幼虫を混ぜ込んで揚げたポレンタや、アメリカミズアブのコロッケやアイス。一人でも多くの人に食べてもらおうと、虫を粉状にして「見た目」のハードルを下げているが、希望する客には揚げた幼虫などを載せた料理も提供する。

 料金は40~50ランド(約300~380円)。肝心の味はというと、苦みもなく、虫が入っていると言われなければ気づかないほどだ。記者はコロッケのほくほく感が特に気に入った。

 シェフは地元のホテルなどで経験を積んだマリオ・バーナードさん(29)。旅行先のタイで昆虫食を体験した時は「味は平気だったが、バッタなどをそのまま調理した見た目が取っつきにくかった」という。それでも「昆虫食はたんぱく質が豊富。世界的に人口が増加する中で、私たちは肉食よりも環境に優しい昆虫食に移行する必要がある」と感じ、母国で挑戦することに決めた。

ここから続き

 記者が訪れたのは平日の昼時…

この記事は有料記事です。残り1266文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら