環境DNAで捉えた外来種 広がるウチダザリガニ生息域

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米山正寛
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 北海道にはかつて、在来種のニホンザリガニが湖や池、川に広くいたそうだ。だが道庁の生物多様性保全課によると、その分布が今では河川上流部などに限られている。絶滅危惧種となったのは、開発や水質悪化に加えて、ウチダザリガニの広がりも一因と考えられる。

 ウチダザリガニは北米原産の外来種。水産資源として北海道など国内に導入された。それから約1世紀、捕食や生息地をめぐる競争、病気の媒介などでニホンザリガニの存在を脅かす。飼育や運搬などを規制する特定外来生物に指定されている。道内では各種団体や環境省による防除が一部で行われている。

 これまで川の上流部にウチダザリガニは入らないと考えられてきた。浅い水深や、川の途中に設けられた落差が障壁となると思われた。しかし今年、侵入をうかがわせる状況が阿寒湖周辺の小河川で報告された。北海道大や兵庫県立大などのチームが、水中に漂う微量のDNA(環境DNA)を分析して、生物の存在を突き止める手法で調べたのだ。

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