倒れたテニス仲間、AEDで救う 訓練生きて命のリレー

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白石昌幸
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 熊本市のテニススクールで練習中に倒れた60代男性の命を救ったとして、同市東消防署は16日、救助にあたった市民4人を表彰した。自動体外式除細動器(AED)を使い心肺を蘇生させ、救急隊が現場に駆けつけるまで心臓マッサージを続けるなど冷静で的確な行動が評価された。

 表彰されたのは、同市在住のテニススクール受講生の田中千明さん(33)、いずれもスクール職員の吉田真二さん(50)、石井俊貴さん(43)、稲田宏美さん(53)。全員が応急手当ての講習を受けた経験者だ。

 東消防署や4人によると、11月12日午前11時20分ごろ、同市東区の「ビバ!ファミリアテニススクール熊本長嶺店」で練習していた60代の男性が突然倒れた。近くで練習中だった田中さんは「ドンという音に振り向くと、男性が紫色の顔色で仰向けに倒れていた」。

 ソーシャルワーカーとして勤務した病院で応急手当ての訓練を受けた田中さんは、すぐに職員を呼んで119番通報をするよう指示。石井さんはスクールに備えてあったAEDを持って駆けつけた。けいれんして血液を流すポンプ機能を失った状態の心臓に電気ショックを与え、正常な状態に戻すための医療機器だ。

 「怖かったが、脳に酸素が行く状態を作らなければと思った」という田中さんはすぐにAEDの電極付きパッドを男性に装着し、電気ショックを与えた。その瞬間、男性の体は地面から浮き上がるほど跳ね、大きく息をしたという。吉田さんは「これなら何とかなる」と思い、心臓マッサージを継続。稲田さんは電話で消防署員の指示を伝えながら、4人で応急手当てを続けた。通報から救急隊の到着までは9分間だった。

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 救急隊の到着時には男性は呼…

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