ヒゲダン、山陰の貸しスタジオで語った夢 記者が再会

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聞き手・伊藤周
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 うら寒い夜だった。2015年3月、当時勤務していた山陰地方の、とある貸しスタジオで私は4人の若者たちの話を聞いていた。ラフな私服姿で真っ直ぐに夢を語る彼ら。バンドとしての完成度の高さは知っていたが、メンバーのうち2人はまだ現役の学生なのだった。

 「日本中を回るバンドになるんだ!」。外の寒さとは真反対の情熱あふれる語り口と、彼らの奏でる音楽に私は魅入られ、その後も何度か彼らを取材し、勤務地が変わってもインストアライブやホールコンサートに足を運び、いちファンとして応援し続けてきた。

 彼らは驚異的な勢いでヒットチャートを駆け上がった。今では街でテレビで、彼らの曲を耳にしない日はないほどだ。最初に出会った日を思い出し、おじさん記者の私はそのつど、感慨にとらわれて思わず立ち止まってしまう。今年11月、彼らは約束通り、全国ツアーで神戸にやってきた。久々に会いにゆこう。彼ら、「Official髭男dism」(ヒゲダン)に――。(聞き手・伊藤周)

島根大OBのピアノ・ボーカル藤原聡さん(28)、ベース楢崎誠さん(30)、ドラム松浦匡希さん(26)と松江高専OBのギター小笹大輔さん(25)が2012年に結成。15年4月にインディーズ、18年4月に「ノーダウト」でメジャーデビュー。今年のNHK紅白歌合戦への初出場も決めた。

 ――大みそかは、初の紅白歌合戦ですね!

 全員 はい。多くの皆さんの応援のおかげです。いい音楽をしっかりと届けられるように4人で力を合わせて、一生懸命パフォーマンスさせていただきます!

 ――皆さんを初めて取材したのは4年半前、インディーズデビューのCD「ラブとピースは君の中」がリリースされる直前でした

 藤原聡 もう、そんなにたちますか。そのころ、僕たちはどんな目標を語っていましたか?

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 ――松浦さんと楢﨑さんは「…

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