元農水次官に懲役8年を求刑 検察「酌量の余地乏しい」

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阿部峻介 北沢拓也
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 6月に東京都練馬区の自宅で長男を殺したとして、殺人罪に問われた元農林水産事務次官・熊沢英昭被告(76)の公判が13日、東京地裁で結審した。検察側は「背景に様々な事情があり悲しい事件だが、酌量の余地は乏しい」と述べて懲役8年を求刑。弁護側は執行猶予が相当と訴えた。判決は16日に言い渡される。

 最終陳述で熊沢被告は「毎日反省と悔悟の日々。息子があの世で穏やかに過ごせるように祈ることが私の務め」と述べたが、公判を通じ最後まで長男への謝罪の言葉はなかった。

 論告で検察側は、熊沢被告は長男英一郎さん(当時44)と同居を再開した5月に暴力をふるわれて殺害を考え、妻に「死に場所を探します。英一郎も散骨してください」などと書いた手紙を渡したりパソコンで「殺人罪 執行猶予」と調べたりしたと指摘。ほぼ無傷だった熊沢被告に対し、遺体には36カ所以上の傷があり「不意を突いた一方的な犯行で悪質だ」と主張した。

 長男を支えようとした努力は否定しないとしつつ、オンラインゲームで知り合った知人に「いま幸せです」などと書いていた長男の人生を奪う権利は誰にもないとも言及。暴力をふるわれても専門家や警察に相談しておらず、酌量の余地は乏しいと述べた。

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 弁護側は、長男の暴力は3度…

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