「これ贈収賄でアウトやって」 原発事業押さえた元助役

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 関西電力の役員らに多額の金品を提供していた森山栄治氏(故人)は、1987年に福井県高浜町助役を退任した後、原発を支える設備、土木、警備の各業界に影響力を強めた。発注増の意向に沿わないと原発の運転妨害を示唆。関電は森山氏への「特別扱い」をエスカレートさせていく。

 原発を支える主要3業種は設備、土木、警備。バブル経済崩壊後の1990年代以降、福井県高浜町の助役を退任し民間企業に転身した森山栄治氏(故人)はこの3業種すべてに関わり、なりふり構わぬ営業で売り上げを伸ばしていく。

 「今から行く」

 関西電力若狭支社長に就いたばかりの元役員の自宅に、連絡が入った。部下から対応について「要注意」と耳打ちされていた森山氏。住所と電話番号は、関電内の誰かが伝えていた。

 森山氏は設備メンテナンス会社「柳田産業」の相談役を務めていた。「うちの会社をよろしく」と封筒を差し出した。10万円の商品券が入っていた。

 年の瀬、また現れた。「来年もよろしく」。スーツの仕立券を渡された。断れなくなっていた。

 森山氏は法曹界に進んだ親族…

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