三菱重工、創業地の造船工場売却か LNG船分野は撤退

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小出大貴
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 三菱重工業は、国内最大級の造船ドックを持つ長崎造船所の香焼(こうやぎ)工場(長崎市)を、国内造船3位の大島造船所(長崎県西海市)に売却する調整に入った。実現すれば、三菱重工は液化天然ガス(LNG)の運搬船の建造から事実上、撤退する。売却額を含めて調整中で、来週にも発表する見通しだ。

 香焼工場は長さ約1千メートルの造船ドックを持つ。近年は、高い技術が必要で利益率が高いとされるLNG運搬船を主に造っていたが、LNG運搬船は大量受注して安く造る韓国勢が世界のシェアを奪い、三菱重工は2015年を最後に新規受注がとれていない。今年9月に三井物産に引き渡したのを最後に受注残がなくなり、より価格の安い液化石油ガス(LPG)運搬船や、橋などの建造物を造るなどしてきた。

 香焼工場で働く従業員は約600人。転籍や配置転換などを検討している。

 長崎は三菱重工の創業の地。香焼工場を含む長崎造船所はこれまで「社内で特別視されてきた」(幹部)が、市場環境の変化を受け売却の検討を進めていた。

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■再編や撤退、揺れる業界…

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