妻子3人殺害で死刑 元警官が争った「動機は仮面夫婦」

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大森浩志郎 角詠之
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きょうも傍聴席にいます

 福岡県小郡(おごおり)市の住宅で2017年6月、母子3人が殺害された。殺人容疑で逮捕されたのは、夫であり父である現職の警察官。公判では、直接的な証拠がない中、被告が殺害したかどうかをめぐり、検察側と弁護側の主張が真っ向から対立した。下された判決は。

 11月5日に福岡地裁であった初公判。元福岡県警通信指令課巡査部長の中田充(みつる)被告(41)=殺人罪で起訴後、懲戒免職=は、グレーのスーツに白のワイシャツ姿で出廷した。

 「一切身に覚えがなく、事実無根です。ましてや子どもの件に関しては直接的な証拠や動機もないのに理不尽に起訴された。間違いなく冤罪(えんざい)です」。そう起訴内容を否認した。

 起訴状によると、中田被告は17年6月5日深夜から6日未明にかけ、自宅の1階で妻由紀子さん(当時38)の首を何らかの方法で圧迫し、2階の寝室で長男涼介さん(同9)と長女実優(みゆ)さん(同6)の首をひも状のもので絞め、殺害したとされる。

 涼介さんは元気で明るく、学校でも人気者。スイミングスクールに通う一方、読書家で、中高一貫校への進学を目指して勉強に励んでいた。実優さんは歌が好きで、ピアノを祖母に聴かせる心優しい性格。名前の由来は、由紀子さんの希望もあり、充の「み」と由紀子の「ゆ」を合わせ、「実に優しい子に」という願いを込めた。15年春には小郡市に一軒家を建てた。

 そんな一家に何が起こったのか。事件までの経緯をたどる。

 検察側の冒頭陳述などによると、被告と由紀子さんは05年、恋愛結婚。08年3月に涼介さん、10年6月に実優さんが生まれた。

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 だが、夫婦関係は徐々に悪化…

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