「聞かれてもなんともない」データ出さぬ政府の開き直り
東京経済部・野口陽
取材考記
国会を馬鹿にしているのか。臨時国会の焦点のひとつだった日米貿易協定。20時間超の審議で政府の説明ぶりを聞いての感想だ。
政府はこの協定を、両国にとって「ウィンウィン(双方の勝ち)」だったという。本当にそうなのか、じつは米国に押し込まれたのではないか、と野党が追及する構図で審議は進んだ。
しだいに浮かび上がったのが、日本にとっての「勝ち」を裏付けるデータの乏しさだ。
日本の「勝ち」は本当か?
協定文の表現はあいまいで、「勝ち」にも「負け」にも読み取れる。なぜ「勝ち」と言えるのか。野党は裏付けの資料を出すよう求めたが、政府はほとんど応じなかった。
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