シャチにもあった「おばあさん効果」 孫の生存率に影響

有料記事

米山正寛
[PR]

 繁殖年齢を過ぎた「おばあさん」シャチが、孫の生存率を上げるのに貢献しているとの解析結果を、英国とカナダの研究チームが9日付の米科学誌に発表した。ヒトでは閉経後の女性が長生きして孫の子育てに一定の貢献をするのは「おばあさん効果」として知られる。チームは「ヒト以外の哺乳類で見つかったのは初めて」としつつ、さらなる観察の必要性も主張している。

 シャチは歯クジラの一種で、基本的に母と子、孫が一緒の群れで生活する。雌は40歳前後で繁殖を終えるが、その後も15年ほど生きて群れで余生を過ごす。中でも米ワシントン州やカナダのブリティッシュコロンビア州の沖で暮らす集団は40年以上にわたって継続観察され、貴重な研究対象になっている。

 チームは、この集団にいる孫世代の378頭の生存状況と、母方の祖母がいるかどうかの関係を解析。その結果、祖母が死ぬと2年ほどで孫の生存率が急激に落ちていた。特に、自分は子育てをしない閉経後の祖母が死んだ場合や、餌のキングサーモンが少ない時期にこうした傾向が強く表れたという。祖父は同じ群れにおらず、血縁関係もつかめないことから、解析の対象になっていない。

ここから続き

 閉経した祖母は自分の子の授…

この記事は有料記事です。残り157文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら