乾燥機「乾太くん」今なぜブレーク? きっかけは沖縄

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山本知弘
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 ふんわりカラッと洗濯物が仕上がるガス衣類乾燥機。その家庭向け製品としてガス機器大手のリンナイ名古屋市)が手がける「乾太くん」がここ最近、大ブレークしている。2019年度の販売台数は前年を4割上回り、過去最高の7万台に達する勢いだ。30年近い歴史を持つ長寿商品が大化けしたひみつとは。

 「乾太くん」はリンナイが1992年から扱う家庭用のガス衣類乾燥機だ。特長はガスの火力を生かしたスピードと経済性という。

 例えば5キロの洗濯物なら50分あまりで乾かせる。1回あたりのガス代は50円~60円ほど。機械本体の価格は主力の5キロタイプで12万8千円(税抜き)だ。内藤弘康社長(64)は「一度使ってもらえば大絶賛される。もっと伸ばせる期待の製品だ」と太鼓判を押す。

 ところが、販売台数は長く年1万~2万台と低迷した。ネックはガス管と蒸気を逃がす排湿管だ。洗濯機のそばに棚をもうけて置くのが一般的だが、既存マンションやアパートでは配管の都合で設置が難しく、市場も伸び悩んだ。ライバルの松下電器産業(現パナソニック)も途中で撤退。国内で家庭用を手がけるのはリンナイ1社になった。

 不振にあえいだ冬の時代。買い替え需要はあったものの、大手都市ガス幹部は「よくやめなかったと思う」と振り返る。

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■反転のきっかけは…

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