両親は敵同士、私は「よそ者」だけど 17歳が歩む宿命

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ハリシュ=高野遼
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〈私は○○人〉イスラエル イダン・ラハブ・ジーナさん

 自分は他の人と違うんだな。小さい頃からそう感じてきた。

 イスラエル中部ハリシュに住む女子高校生、イダン・ラハブ・ジーナさん(17)。ラハブはユダヤ人の母、ジーナはアラブ人の父から受け継いだ名前だ。

 ユダヤ人とアラブ人。パレスチナ問題で長年争い合ってきた「敵同士」の両親が結婚したことが、彼女の物語の始まりだった。

 両親が出会ったのは1995年。母のオリット・ラハブさん(45)が20歳の時に就職したホテルで、たまたまガードマンとして働いていたのが、父のマフムード・ジーナさん(54)だった。

 イスラエルはユダヤ人が建国した国。国民の多くがユダヤ教を信奉し、ヘブライ語を話す。一方、土地を奪われたと反発しているパレスチナ側には、イスラム教を信じアラビア語を話すアラブ人が暮らす。

 ユダヤ人のオリットさんは大人になるまでアラブ人を見たことがなく、「彼らはみんなテロリストだ」と思っていた。そんなイスラエルにも人口の2割を占めるアラブ人が住んでおり、マフムードさんはイスラエル国籍のアラブ人だ。

 別世界に住む2人が、職場で話すうちに急接近。やがて、交際が始まった。

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 だがオリットさんは、恋人の…

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