楽天社員が上司の暴行で後遺症、うつ病に 労災認定

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榊原謙 栗林史子
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 通販サイト大手の楽天に勤務していた40代の男性が首にけがをしたりうつ病を患ったりしたのは、上司の暴行が原因だったとして、渋谷労働基準監督署東京都渋谷区)が労災を認定していたことがわかった。認定は2017年8月1日付だが、楽天側は「従業員間のけんかに過ぎない」として自社の責任を一貫して否定しているといい、男性は近く損害賠償を求めて法的手続きをとる。

 代理人の川人博弁護士らが5日、パワーハラスメントパワハラ)による労災認定として記者会見で明らかにした。

 男性は15年5月に楽天に入社し、広告会社などに対するウェブ広告の提案や営業活動をしていた。16年6月14日、社内の定例会議で男性が部下に業務上の指示を出したところ、同席していた男性の上司が意見を言い、2人の間で口論に発展。上司が激高し、男性の首元をつかんだという。男性が上司を挑発したり、手を出したりといった行為はなかったとしている。

 渋谷労基署は、男性はこの暴行が原因で頸髄(けいずい)不全損傷とうつ病を発症したと認めた。さらに渋谷労基署は今年6月には、けがが原因で両手両足に軽いまひなどの後遺症が出たとして改めて労災と認定した。男性は16年7月に楽天を退職し、現在も療養中という。

 男性は5日、「会議中の暴行で怪我(けが)を負い、困って社内のパワハラ相談の部署に相談したにもかかわらず、十分な調査もせず、相談を否定され、配転希望にも対応してもらえず、退職せざるを得なかった。また、周囲にも連絡を取るなと指示をしたり、会社の対応には本当に驚いた。会社として、責任を認めて謝罪してほしい」とするコメントを発表した。

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