銃撃され死亡した中村医師 「実績重ねることこそ近道」

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 アフガニスタンで銃撃されたNGO「ペシャワール会」の現地代表、中村哲医師は2016年9月、朝日新聞の取材に対し、アフガニスタンの治安が不安定な地域での活動について「実績を積み重ねることこそが安全を確保する近道」と語っていた。

 中村さんは福岡県生まれ。九州大学医学部を卒業。1984年にパキスタンで医療支援を始め、アフガンへと拠点を移した。

 2000年にアフガンが大干ばつに襲われ、農地が砂漠化して消え、村の人々が丸ごと難民になると、同会は水利事業にも乗り出した。国連機関は当時、アフガンで1200万人が被災し、100万人が餓死線上にいると報告。中村さんらは、医療より水の確保を優先して約1600カ所の井戸を掘った。

 01年9月11日に米国同時多発テロが起き、10月に米軍がアフガンに侵攻した。駐留米軍と反政府勢力との衝突が相次ぎ、治安が悪化。08年8月には、同会の伊藤和也さん(当時31)が武装グループに殺害された。伊藤さんの殺害は、中村さんが襲撃されたジャララバードから約40キロのダラエヌール渓谷近くで、武装勢力に運転手とともに拉致された後の出来事だった。

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 同会は、10カ所以上あった…

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