今秋に東日本を中心に大きな被害をもたらした台風19号。長野市では、千曲川(ちくまがわ)の堤防が決壊して浸水被害が起きたとき、取り残された人々のツイッターへの投稿が救助活動に役立てられた。寄せられた情報が50件以上の救助につながったという。
10月12日、千曲川上流の長野県東部には、年間総雨量の半分近くに相当する記録的な大雨が降った。13日未明、下流の長野市穂保(ほやす)で堤防が70メートルにわたって決壊。濁流の中、取り残された住民が2階などへ避難して救助を待つ事態になった。
立ち上がったばかりの県災害対策本部の発信班6人とリーダーの窪田優希さん(33)は、ツイッターアカウント「長野県防災(@BosaiNaganoPref)」で情報収集に当たっていた。検索キーワード「ハッシュタグ(#)」を使い、「#台風19号長野県被害」を付け、各地の浸水や道路損壊といった情報の投稿を呼びかけた。
ところが、13日早朝、飛び込んできたのは「家族が取り残されています。助けて!」「赤ちゃんや子どももいます」といった救助を求める投稿だった。発信班は急きょ、「救助が必要な方は写真や位置がわかる情報をツイートしてください」と投稿。要請内容を、災害時に消防や警察、自衛隊と自治体が情報共有するシステムに入力した。
また、「救助部隊につないでいます。必ず救助に向かいます。もう少し待っていてください!」「あきらめないで。私たちは必ず助けます!」と励ました。
救助を待つ中に妊婦がいるとの情報には「ヘリで救助できるかを知りたいので、失礼ですが妊娠何カ月か教えてもらえますか」といったやりとりもした。
■運用指針で禁止も…
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