高齢者が働けば「三方良し」 前慶応義塾長の清家篤さん

有料記事老後レス時代

編集委員・真鍋弘樹
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 高齢になっても働き続けることが日本を救う――。労働経済学者で、前慶応義塾長の清家篤(せいけ・あつし)さん(65)はそう語ります。安倍晋三首相が議長を務める全世代型社会保障検討会議のメンバーでもある清家さんに、その理由を尋ねました。

 ――なぜ、日本で高齢者の就労が求められているのでしょうか。

 「日本では、水準、速度、奥深さのすべてにおいて世界に類を見ない高齢化が進んでいます。65歳以上の高齢者の割合は2040年には総人口の3分の1を超え、60年には5分の2に達します。それだけではありません。『高齢者の高齢化』が進み、65歳以上75歳未満と75歳以上の比率は、42年に3対5、60年には1対2になります」

 「このトップヘビーの状況で、労働力人口は18年に約6700万人だったのが、40年には5500万人を割り込む。これは三つの問題をもたらします。マクロ経済では国内総生産(GDP)を減らし、1人当たりの賃金が増えなければ所得と消費を減らします。さらに保険料と税収が減り、社会保障制度の持続可能性が低下する。このような事態を防ぐには、支え手を増やさなければなりません。女性と高齢者の能力を生かし、労働力率を高めれば、労働力人口を40年でも6200万人程度に維持できると試算されています」

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 ――高齢者が働かなければ日…

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