台風被害のピンチをチャンスに 若きリンゴ農家の挑戦

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川村直子
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 10月の台風19号で大きな被害を受けた長野市特産のリンゴ。決壊した千曲川の堤防にほど近い専業農家の徳永虎千代さん(27)=同市赤沼=は「復活をめざす今こそ、この産地一帯に持続可能な農業モデルを育てたい」と、インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)で支援を呼びかけている。

 リンゴ農家4代目の徳永さんが生まれ育った集落は、過去にもたびたび洪水被害に遭ってきた。

 地域に残る水位標によれば、1742(寛保2)年の約3・5メートルや、1896(明治29)年の1・88メートルといった大水害の記録がある。水害に比較的強いとされるリンゴ栽培を根付かせたのは、徳永さんの曽祖父らの世代だ。

 4年前に父の農園を継ぐと、高齢化が進んで担い手のいない遊休農地を借り受けるなどして、約1ヘクタールだった畑を約4ヘクタールまで広げた。

 収穫まで葉を残し、見た目よりも味を重視した「葉とらずりんご」で葉を摘む手間を簡略化。消費者への直接販売や、省力化と大量生産が可能な「高密植栽培」を取り入れるなどして収益を上げ、父の代では赤字だった経営を黒字に転換した。

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 軌道に乗ってきたさなかに襲…

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