6年前と同じマウンドへ 佐々木朗希とロッテの縁

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室田賢
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 高校最速右腕が、再び千葉のマウンドに立つ。プロ野球ロッテからドラフト1位指名を受けた岩手・大船渡高校の佐々木朗希投手(18)が30日、球団と仮契約を結んだ。この6年前、実は佐々木は1度、千葉にあるロッテの本拠球場で登板したことがあった。東日本大震災など逆境を乗り越え、少年時代に夢見たマウンドで、今度は子どもたちの希望になる。

 「これまで応援していただいたので、その分の恩返しができるように活躍したい」。仮契約後の記者会見で緊張した表情だった佐々木は、支えてくれた人たちに向けてこう話した。

 2011年3月、9歳だった佐々木は当時住んでいた陸前高田市で被災した。津波で父親の功太さん(当時37)ら家族を失い、家は流された。学校の校庭には仮設住宅が建ち、他の子どもたちと同様、体育館の隅や河川敷で素振り、キャッチボールをするしかなかった。

 野球ができる球場は遠方にしかなく、仕事を終えた大人が車で送迎できるころには、すでに周りは真っ暗。ボールには蛍光塗料が塗られ、日中にさらして夜に光るよう工夫された。車のライトに照らされたグラウンドで、小さく光るボールを追いかける日々が続いた。

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 その状況で、なぜ千葉に来る…

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