苦境の出版界に続々参入 ネットメディアの戦略に勝算は

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林幹益 土屋亮
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 新興のネットメディアが書籍事業に乗り出している。不況と言われて久しい出版業界に、あえて参入するのはなぜか。

 ハフポスト日本版が8月に出版した単行本「サードウェイ」。途上国支援とビジネスの両立をテーマにした硬派な内容だが、出版後すぐに増刷がかかった。

 筆者は途上国の人とバッグやジュエリーを作り、販売する「マザーハウス」の創業者山口絵理子さん。本は活動を紹介した昨年11月のハフポストのネット上の記事を元にしている。記事への反応を分析した結果、書籍化が決まった。

 記事にアクセスした人の平均滞在時間は約3分と同じ長さの記事と比べて2倍以上長く、時間をかけて読まれていることが分かった。SNSなども分析すると、「もっと知りたい」「共感しました」といった高評価が目立った。

 竹下隆一郎編集長は「お金を払ってでも、じっくり読みたい人が多い」と判断し、ネットの反応を見ながら関心を呼びそうな順に章立てを考えた。「編集者の直感頼みでなく、読者の興味を丁寧に拾えば読まれる本ができるはずだ」。参入初年度の19年度は6冊で計20万部の売り上げをめざす。

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