28日午後2時ごろ、福岡市博多区の川端通商店街のステーキ店で火事があった。博多署によると、燻製(くんせい)を作る器具周辺から出火した。商店街で開かれるイベントのスタッフらが手早く消火器で火を消し止め、周囲への延焼はなかった。店長の40代男性が手をやけどした。

 川端通商店街はJR博多駅から1キロほど離れた福岡市の中心部にある。南北に約400メートル続き、川端中央と上川端の二つの商店街からなる。商都・博多の伝統を色濃く残している。

 このうち上川端商店街では、この日夕方に始まるクラシックカーを集めたイベント「クラシックジャパンラリー」の準備が進んでいた。会場では車両火災を防ぐため、計33本の消火器が集められていた。

 スタッフとして商店街の裏の冷泉公園にいた神奈川県の大学生岡野航(わたる)さん(19)と東京都の大学生、山田聖(ひじり)さん(21)は午後2時ごろ、商店街から黒煙が上がっているのを目にした。現場に駆けつけると、焦げ臭いにおいがして、現場の店では男性が「消火器を持ってきてください」と叫んでいた。

 2人は急いで、集めていた消火器を両手に持ち、現場の隣の仏具店の階段を上り、窓からステーキ店の屋根に上った。目の前まで炎が迫っていたが、隣に燃え移らないよう、必死で消火剤をまいた。

 持っていた消火器を使い切ると、炎が消え、パチパチと音がするだけになったという。他にもスタッフ3人とステーキ店の関係者が消火活動にあたり、福岡市消防局によると、消防隊が到着する前に火を消し止めた。

 岡野さんは「商店街に着いた時…

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