夢見て来日「勉強よりバイト…」 留学生、貯金崩す生活

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遠藤美波
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 留学生を自身の経営する会社などで不法に長時間働かせたとして、旭川日本語学校(北海道旭川市)の実質的経営者らが出入国管理法違反(不法就労助長)などの疑いで逮捕される事件があった。留学生たちの暮らしぶりはどうなっていたのか、現地を訪ねた。

 「授業には満足しているけど、毎月のバイト代は授業料と寮費で消えてしまう」。旭川日本語学校に通う留学生のネパール人の男性(20)が、薄暗い室内で日々の生活を語った。男性は上限を超える違法な労働はしていなかったが、勉強よりもアルバイトが優先の日々だと明かす。

 学校に近い4階建ての寮にネパール人約15人と住んでいる。男性の2人部屋にはベッドが二つあるが、机はない。

 寮費2万円、光熱費約1万5千円、授業料約6万円。毎月9万円以上を学校に支払う。生活費と学費を稼ぐため、近くの弁当工場で週3~4回、夜10時半から翌朝5時ごろまで働く。留学生のアルバイト時間の上限、週28時間ぎりぎりだ。それでもお金が足りない。わずかな貯金を切り崩して暮らしている。

 母国で観光の仕事に就くことを夢見て、日本語を学び始めた。2018年10月に来日し「日本の大学や専門学校を目指す」とうたう1年6カ月のコースに入学。両親が銀行から借金して1年目の授業料約70万円を払ってくれたという。

 「バイトは週28時間以内に抑えなければいけないことは知っているし、守っている。でも、生活はとても苦しい」。来日から1年以上が経った。記者の日本語の質問には、最後まで受け答えできなかった。

■「規制不十分」批判も…

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