女性の生き方変えるストッキング がん経験者が専門店

有料記事がんとともに

松浦祐子
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 がんの手術でリンパ節を取ったり、放射線や抗がん剤治療を受けたりした患者が、腕や脚のむくみに悩むケースがある。リンパ液がたまるリンパ浮腫という症状だ。確実な予防法や治療法がない上に「都市伝説」とも言える間違ったケアや治療法が残っており、望んだ靴がはけなかったり、飛行機旅行を避けたりする人が後を絶たないという。そんな状況を改善しようと、リンパ浮腫のケア用品に特化した店を開いた女性がいる。原点は自らの卵巣がんの経験だ。

 大塚美絵子さん(58)が卵巣がんの手術を受けたのは2012年。手術後、一時的に医療用の弾性ストッキングをはく必要があった。脚に圧をかけることで、血栓ができるのを予防するためだった。

 病院の売店で急いで買ったが、自分に合うサイズがなかった上に肌に合わず、ひどいナイロンかぶれを起こしてしまった。その経験から弾性ストッキングは「決して見たくないもの」になっていた。

 その後、卵巣がんの患者会に参加するようになり、多くの患者がリンパ浮腫の治療のために弾性ストッキングを日常的にはいていることを知った。強い収縮性のある弾性ストッキングや弾性スリーブといった医療用の弾性着衣を着用して体を圧迫することで、むくみを軽減するためだ。長時間身につけるものだからこそ、医療的な効果とつけ心地のバランスを取ることが大切。にもかかわらず、自分の時と同じように、病院で勧められたものを買ったものの、合わずに苦しんでいる患者が多かった。

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