宮城)再稼働、膨らむ安全対策費 識者「経済性失う」

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徳島慎也 志村英司 山本逸生
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 原子力規制委員会が新規制基準を満たすと判断した東北電力女川原発女川町石巻市)2号機は、再稼働のための安全対策費が当初の想定を上回る、3400億円に膨らんだ。運転停止期間はすでに9年に及び、専門家からは「再稼働しても発電コストが高く、経済性を失っている」との指摘が出ている。

 「現時点では、安全対策工事にかかる投資分を回収できるだけの経済性を持っている」。東北電の原田宏哉社長は28日、仙台市内での定例会見で、2号機の再稼働の経済性について、こう答えた。再稼働すれば、火力燃料費を年350億円程度減らせるとの試算を示し、「投資額と燃料費の低減効果を見極めた上で、総合的に評価している」と説明した。ただ、根拠となる発電コストについては「競争戦略にかかわる」として、明かさなかった。

 東北電は再稼働のための安全対策費について、2013年2月に女川原発と東通原発青森県)の合計で1540億円かかると公表。だが、費用は14年9月に計3千数百億円に、19年3月には女川原発だけで3400億円に膨らんだ。規制委の審査が進むにつれて、防潮堤下部の地盤改良など、追加の安全対策を迫られたことが響いた。

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 これに対して、大島堅一・龍…

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