森保監督、兼務をプラスにするには(中西哲生コラム)

有料記事中西哲生 日本ヂカラ

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 サッカーの日本代表と22歳以下(U22)日本代表の親善試合は、いずれも内容、結果とも厳しいものになりました。フル代表は19日にベネズエラに1―4、東京五輪世代のU22は17日にコロンビアに0―2。森保監督が両代表の監督を兼務していますが、そのメリットを生かせず、逆にどっちつかずになってしまった印象があります。

 まず、ここまでの状況を整理してみましょう。招待出場した6月の南米選手権は、代表に拘束力がなかったためにフル代表メンバーを呼べず、逆に森保監督が五輪世代を把握する機会となりました。反対に、W杯2次予選があったため、U22代表は9、10月は横内コーチが監督を代行。U22コロンビア戦で、ベンチからの指示を横内コーチが出すシーンが多かったのは、そうした事情からでした。

 そんな中、U22代表は堂安、久保建を入れ、森保監督が「現状ではベスト」と話す布陣でしたが、もともとのメンバーともかみ合わず、結果が出ませんでした。フル代表も、14日のW杯予選キルギス戦で出場した、ヨーロッパ組の主力を所属クラブに帰し、スタメンが8人が入れ替わっての大敗でした。

 過去、フル代表と五輪代表を兼務し、両方の戦力を把握しながらうまくいった例としては、トルシエ監督があげられます。ただ冷静に振り返ってみると、フル代表は日韓が共催した2002年W杯を目指していて、W杯予選を戦う必要はなかったのです。

 しかし、今回はフル代表がW杯2次予選を戦いながら、さらに五輪代表のチーム力もアップさせなければなりません。システムもフル代表は4―2―3―1、U22代表は3―4―2―1と、熟成のさせ方が異なっています。フル代表、五輪代表、どちらの試合もうまくいかなかったのは、その辺りの難しさもあったでしょう。

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 ただ今後の日程をみると、違…

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