車券場に350日、イオンでラジオ体操 高齢者の居場所

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神沢和敬
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 横浜で出会った74歳の男性はほぼ毎日、競輪の場外車券売り場に行く。ただ、そこに熱狂はない。人生100年時代と言われるなか、高齢者たちは自らの「居場所」を切実に求めている。

 横浜のJR桜木町駅すぐにある競輪の場外車券場、サテライト横浜。市内に住む男性(74)は、5年ほど前からここに通っている。平成から令和への改元に日本中がわいたゴールデンウィークも、お盆もほぼ毎日通った。

 「風邪や腰が痛いとき以外は来ている。年に350日にはなる」

 2013年に妻を亡くした。長年勤めて役員にまでなったビル管理会社を辞めたばかりだった。2人の娘はすでに自立していた。妻と仕事を同時に失い、ひとりぼっちになった。

 〈家に閉じこもった生活をしてはいけない〉

 そんな思いで、目的もなく外に出た。

 年金は月々手取り19万円ほど。家賃や水道光熱費などを除くと、使えるのは1日あたり1500円ぐらいだ。この「小遣い」で日中を過ごせる場所はないかと探し回り、たどり着いた場所が、車券場だった。

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 サテライト横浜の年会費は2…

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