続発する粉飾決算、見抜いたメインバンクは「ラッキー」

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笠井哲也
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 地方銀行の融資先で粉飾決算が多発している。2019年9月中間期の地銀決算は、不良債権処理などの与信費用が前年の2倍に増えたが、粉飾が一因とみられる。なぜいま相次いで見つかっているのか。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると、上場地銀78行の9月中間決算は、48行で与信費用が増えた。不正な不動産融資の影響があるスルガ銀行を除く77行で、計1058億円。前年同期から倍増した。

 要因の一つに、取引先の粉飾があるという。常陽銀と足利銀を傘下に持つめぶきフィナンシャルグループ(FG)、横浜銀と東日本銀のコンコルディアFG、山口銀と北九州銀の山口FG、西日本シティ銀と長崎銀の西日本フィナンシャルホールディングスは、取引先の粉飾の影響で増えたと決算会見で説明した。

 全国地方銀行協会の笹島律夫会長(常陽銀頭取)は11月の会見で、個別行の問題としつつも「(取引先の)粉飾決算が最近になって見えるようになっている。(対応の)引当金を積んだことが信用コスト増加の要因だと思う」と述べた。

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 ある関東地方の地銀も影響を…

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