「1人で3人は限界超える」介護をする人、どう支える?

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畑山敦子 栗田優美
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 高齢者が高齢の家族を介護する「老老介護」や同時に複数を世話する「多重介護」では、より深刻な事態に陥りやすくなります。支援者は、介護される人だけでなく、介護する人への支援が大事だと指摘します。

 福井県敦賀市で男性(70)と90代の両親の遺体が見つかった事件では、男性の殺人容疑で逮捕された妻(71)が3人の面倒をみる「多重・老老介護」の状況だった。

 市などによると、男性の母は9月時点で要介護1、父は昨年11月時点で要支援2。男性は要介護認定を受けていなかったが、脳梗塞(こうそく)を患って足が不自由だったという。

 日本ケアマネジメント学会理事でケアマネジャーの服部万里子さんは「一般的に、家で1人で同時に3人をみることは、介護サービスを使っていても限界がくる」と話す。それぞれに合わせた食事を用意し、トイレや入浴などを手伝うのは「相当な負担です」。

 厚生労働省の2017年度の調査では、家族など養護者による虐待の発生要因(複数回答)は、「虐待者の介護疲れ・介護ストレス」(24・2%)が最多、「虐待者の障害・疾病」(21・8%)が続いた。

 服部さんは「介護しながら疲れを感じていても、周りから『よくやっている』と思われていると、本人から『疲れている』と言い出せないことが多い」とした上で、「介護者は声を上げられなかったのか、周りは気づけなかったのかなどを検証し、いつでも相談できる環境づくりといった再発防止策につなげるべきです」と指摘する。

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 今回の事件は、国で介護保険

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