拡大する写真・図版10月にタイで放送が始まったドラマ「ターン・タイプ」。ゲイを公言するターン(左)とゲイに対して偏見を持つタイプ(右)の恋物語だ。写真はタイプが見た夢の場面=制作会社提供

 ドラマや漫画で男性同士の恋愛を描くボーイズラブ(BL)。人気になったテレビドラマ「おっさんずラブ」など、そうした作品を愛する「腐女子」と呼ばれる女性たち。そんな日本発祥とも言われる文化や現象が、タイを中心に周辺の国や地域で、爆発的に広がっています。背景には何があるのでしょう。アジアの人たちが観(み)ているBL、紹介します。

 「僕はゲイじゃない。僕はゲイが大嫌いだ!」

 叫ぶ少年に、切れ長の目の同級生がじりじりと近づいていく。

 「そのゲイと君は暮らしているんだ」

 たくましい腕がきゃしゃな肩を包み、そのままキスをした――。

 10月7日、タイで放送が始まったテレビドラマ「ターン・タイプ」。第1話の一場面だ。舞台は大学寮。タイプという名前の男子学生が、同性愛者だと公言する同級生のターンと同部屋になり、追いだそうと画策するも次第に2人の間に恋と信頼が芽生えていく。そんなボーイズラブ(BL)の物語だ。

 酔いつぶれたタイプにターンがそっとキスをして終わった初回の放送日、ドラマのタイトルは同国のツイッターのトレンドで1位となった。ネット版を公式アカウントで視聴した人は150万人。すぐに非公式サイトで英語やインドネシア語などに翻訳された。

拡大する写真・図版ドラマ「ターン・タイプ」の放送を予告する公式のトレーラー映像。ゲイを公言するターン(右)とゲイに偏見を持つタイプ(左)という2人の男子大学生の恋物語だ=ユーチューブから

 「あああ! 声を出して叫んだ!」「タイプに触れるターンの手が最高!」「555555(笑いを指すタイのネット用語)」

 ネット上にはこんなコメントが殺到した。

 第2話では、病気になったタイプをターンが献身的に介抱し、2人の距離は近づいていく。

 全12話予定のところ、早くも…

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