巨大ITはGAFAだけじゃない 中国「BAT」とは?

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北京=福田直之
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 インターネット検索などのポータルサイト「ヤフー」とメッセージアプリのLINEの統合は、世界と戦える日本発のITプラットフォーマーの誕生を意味する。競い合う相手は米国の「GAFA」(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)だけではない。中国の巨大IT「BAT」(バイドゥ、アリババ、テンセント)も勢力を伸ばし、日本進出も図る。日本でまだなじみが薄いBATとはどういった企業なのか。

ネットショッピングのアリババ

 「BAT」のうち、「A」にあたるのがアリババ集団だ。主要事業はネット通販(EC)で、そこから派生した事業も多い。

 1999年に英語教師だった馬雲(ジャック・マー)氏が浙江省杭州市で創業。会社の標語は「どこでもビジネスを簡単に(譲天下没有難做生意)」だ。米国出張で偶然インターネットの存在を知った馬氏は、中国が世界貿易機関(WTO)に加入すれば、中国の中小企業が世界中の企業と取引するようになる見越して、まず企業間(BtoB)のショッピングサイトを作った。

 アリババの創業から間もない2000年、同社へ総額2千万ドルもの投資を決めたのが、ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長だ。SBGは今でもアリババの25.8%の株を持つ筆頭株主だ。

 SARSの流行で外出が敬遠された03年には個人間売買(CtoC)のサイト「タオバオ」を創設。08年には企業が個人に売る(BtoC)の「タオバオモール(現・天猫)」をつくった。

 09年に販促のため始めたのが11月11日の「独身の日」(1=シングルが並ぶため)に行うセールだ。今年は流通総額が前年比26%増の4.2兆円に達する「お化けイベント」となっている。

 アリババの参入当初はECの信頼性は低かった。そこで、業者に先に品物を顧客へ送らせ、きちんと届いたら代金が業者に支払われるような仕組みの決済手段「アリペイ」を04年に始めた。

 その後、アリペイはアリババの支払いという枠を超えて利用が広まった。後に出したスマートフォンアプリでQRコードによる支払いができるようにした。

メッセンジャーとゲームのテンセント

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