厚生労働省が先月示したパワーハラスメント(パワハラ)行為の定義と具体例を盛り込んだ指針の素案について、労働問題に取り組む弁護士や学者、労働組合など約500の個人・団体でつくる民主法律協会(民法協、大阪市)は18日、抜本的な修正を求める会長声明を発表した。
素案は、職場で行われる①優越的な関係を背景に②業務上必要かつ相当な範囲を超えて③就業環境が害される行為をパワハラと定義した。声明は、素案が「優越的」の意味を抵抗や拒絶ができない関係としたことについて「大きな力関係の差が必要なことになり、パワハラを極めて狭く定義している」とした。
さらに「遅刻や服装の乱れなどが改善されない労働者に強く注意する」など、パワハラに該当しない具体例を挙げたことを「労働者に問題があればパワハラに該当しないかのような誤解を与えるなど極めて不適当」と批判。企業側のパワハラへの弁解を正当化する恐れがあるとして、非該当例の記述を削除すべきだと訴えている。
厚労省は、素案をめぐる議論内容を踏まえて、年内にも指針の内容を固める方針。(遠藤隆史)
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■パワハラ防止指針の素案の内…
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