「メジャーでなくていい」 九州選んだ歌手が東京公演へ

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遠山武
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 地震で故郷を追われた人たち。愛児を失った夫婦。学校が閉校する中学生――。言い表せない思いを抱えた人の思いを歌うシンガー・ソングライターが、福岡県久留米市にいる。取材を重ね、物語を紡ぎ、作詞作曲する。歌手生活26年の今年、新たな出会いを求めて、28日に初めての東京公演に臨む。

 野田かつひこさん(53)。旋盤工や酒屋の配達などをしながらバンド活動を続け、27歳でプロ歌手の道へ。30歳で吉本興業福岡事務所の音楽部門からCDデビュー。出身地の久留米を拠点に、児童劇団の音楽担当や個人活動にも力を入れてきた。

 転機は39歳で訪れた。2005年3月の福岡沖地震。全島避難した玄界島の被災地支援の一環として、音楽団体から曲づくりを頼まれた。現地に足を運び、本土の学校に移った子どもらに話を聴いた。できあがった「僕のふるさと玄界島」は復興のテーマソングとして注目された。島の漁師たちが涙を流して聴いてくれるのを見て思った。

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