リクナビ問題で新事実、無断で1千サイトと情報共有状態

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牛尾梓 大津智義
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シンギュラリティーにっぽん

 個人情報とは何か。就活生の内定辞退率を企業に販売していた「リクナビ問題」は突きつける。より便利な世界を求めることで、知らぬ間に個人データが共有される。この見えない支配から逃れられないのだろうか。牛尾梓、大津智義)

シンギュラリティー:人工知能(AI)が人間を超えるまで技術が進むタイミング。社会が加速度的な変化を遂げることを指すこともある。変化に伴って「見えないルーラー(支配者)」も世界に現れ始めている。

知らぬ間に57サイトの閲覧情報が筒抜け

 東京都内の私立大4年の男子学生(22)は驚いた。「就活のために登録した情報が全く関係のないものと結びついていたなんて」

 IT企業から内定を得た今年6月まで、就活情報サイト「リクナビ」に登録していた。リクナビのサイトを開くときはもちろん、検索などで日常的に使っていたブラウザー(ネット閲覧ソフト)「グーグルクローム」を専門会社で分析してもらったところ、昨年10月からの1年間に、57サイトでの閲覧情報がリクナビ側から見られる状態になっていた。57サイトは飲食店や不動産業者など、就活と関係ないと思われるものばかりだった。

 リクナビを運営するリクルートキャリアは8月、内定辞退率の第三者提供に学生の同意を得ていなかったなどとして、個人情報保護委員会の勧告と指導を受けたが、その対象にはこのような外部サイトとの結びつきまでは含まれていない。一体、何が起きていたのか。

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 利用者がウェブページを閲覧…

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