「戦争は人間の仕業」被爆者が心に刻むローマ法王の言葉

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榎本瑞希 東谷晃平
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 ローマ・カトリック教会の法王が24日、38年ぶりに被爆地の長崎と広島を訪れる。1981年、当時の法王、ヨハネ・パウロ2世は原爆の悲惨さを伝える意義を強調し、被爆地で人々が体験を語り継ぐきっかけをつくった。伝えつづけてきた人たちは、来日するフランシスコ法王のメッセージに期待している。

「原爆は鬼のごたる」

 38年前のローマ法王の来訪をきっかけに、被爆者の体験の聞き取りを始め、劇にして伝えている施設が長崎市にある。高齢の入所者の思いを、被爆2世の職員らがつないでいる。

 350人ほどの被爆者が暮らす養護施設「恵の丘長崎原爆ホーム」。1981年、法王のヨハネ・パウロ2世が訪れ、入所者たちに「皆さんは絶えまなく語りかける生きた平和アピールです」と呼びかけた。

 職員だった被爆2世の山川強さん(64)は、この言葉に「引き金をひかれた」。原爆で家族を亡くして身寄りのない被爆者のためにつくられた施設で、被爆の記憶を誰にも託せずに、静かにこの世を去る人がほとんどだった。「このままでいいのかと、どこかで感じていた」

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 約2カ月後、体験の聞き取り…

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