「低金利・低成長が世界の常態に」FRB議長が警戒感

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ワシントン=青山直篤
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 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は13日の米議会証言で「現在の金融政策の姿勢が引き続き適切とみられる」と述べ、今後の利下げに慎重な姿勢を改めて示した。長くデフレに苦しんだ日本のような「低金利・低インフレ・低成長」が、景気が好調な米国を含めて世界の「ニュー・ノーマル(新たな常態)」になっているとも述べ、警戒感をにじませた。

 パウエル氏は、3会合連続の利下げを決めた10月30日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、今後の追加緩和には慎重な姿勢を打ち出していた。議会証言ではこの流れを引き継ぎ、「米経済の基本的な見通しは好ましいままだ」と述べた。

 米国では失業率が歴史的な低水準を保ち、景気の底堅さを裏付けている。ただ、賃金の伸びは力強さを欠いており、インフレ(物価上昇)も加速していない。個人消費支出の物価指数は、9月まで11カ月連続でFRBの目標2%を下回っている。

 パウエル氏は失業率が低いのに賃金の伸びが抑えられがちになる「謎」の要因として、機械化やグローバル化、労働組合の組織率の低下などを指摘。「低金利、低インフレ、そして恐らく低成長が新たな常態になった。米国だけでなく世界中で起きていることだ」と述べた。

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