「君はロックを聴かない」けれど… 滅びゆく音楽なの?

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坂本真子
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 2017年、アメリカで「ヒップホップ/R&B(リズム&ブルース)」の売り上げが初めて「ロック」を超えた。これまでに何度も「ロックは死んだ」と言われ、日本では「君はロックを聴かない」という歌もヒットした。ロックはどうなってしまうのか。

 ロックミュージックという言葉が、1950年代のロックンロールと異なるものとして米メディアで使われ始めたのは、大和田俊之・慶応大教授(アメリカ文化)によると、60年代後半のことだ。

 50年代にチャック・ベリーやエルビス・プレスリーが演奏したロックンロールは、シャッフルのリズムが主体だった。これに対して8ビートのリズムが主体の音楽を「ロック」と呼んだ、と大和田さんは説明する。

 ロックンロールからロックへ。その大きな転換点になったのは、ボブ・ディランが65年のライブで、それまでのフォークギターでなくエレキギターを弾き、観客のブーイングを浴びたことだという。

 「公民権運動と共に有名になったディランは、反体制的なメッセージを、フォークより商業主義に近いとみられていたロックで演奏するという矛盾を抱えた。これ以降、ロックミュージシャンは売れれば売れるほど矛盾に陥ることになったのです」

 60年代には英国でザ・ビートルズザ・ローリング・ストーンズが登場。特に60年代後半から10年余は「ロック黄金時代」と呼ばれた。

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