胃薬から発がん物質、一斉に自主回収 どこから混入?

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野中良祐
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 胃薬に発がん性物質が含まれている可能性があるとして、製造業者が「ラニチジン塩酸塩」を自主回収している。先発薬では「ザンタック」、値段が安いジェネリック薬(後発薬)では「ラニチジン」として、広く処方されていた。国内では計10社が製造しているが、なぜ一斉に回収に至ったのか、どこで発がん性物質が混ざったのだろうか。

薬の原料はどこから

 自主回収のきっかけは何だったのか。9月、欧州医薬品庁や米国食品医薬品局などが、製剤や原薬から発がん性物質「NDMA」が微量に検出されたと発表した。日本の厚生労働省は、国内の業者に製品の分析を依頼した結果、NDMAが検出された製品が相次いで見つかり、検出されていない業者も含めた全社が自主回収を決めた。

 製造する10社に薬の製造工程を尋ねたところ、原材料である原薬はいずれも、中国またはインドのメーカーから調達していた。ジェネリック薬を製造する1社はスペインで原薬を精製する工程を挟んでいたが、先発薬、ジェネリック薬を製造する各社とも、自社では錠剤などの形に加工するだけで、化学反応は加えていなかった。

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■原料を輸入する商社は…

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