息子の妻は家を出た ハンセン病元患者の苦悩、差別今も

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一條優太 田中久稔
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 あっという間のことだった。息子の妻は2人の子を連れて、何の前触れも無く息子の家を出ていった。仲の良い家族だったのに。絆は突然、断ち切られた。

 それはほんの3年余り前。沖縄県に住む女性(60代)は当初、何が起きたのかわからなかった。「息子が何か悪かったのかな。謝れば帰ってきてくれるだろう」。数日後、息子と一緒に相手の実家に出向き、「戻ってきてほしい」と必死に頼み込んだ。土下座までした。

 「帰れ。孫は絶対に渡さない」。相手の両親はまるで取り合わない。理由も教えてくれない。約1カ月後、離婚届が届いた。相手側の親族は「一日も早く離婚届を書け。養育費も要らない」と迫った。息子がやむなくサインすると、息子が留守の日、家財道具を引き揚げていった。結婚式の写真は持っていかずに。息子の落ち込みようは、見ていられなかった。

 暗転。異常なまでの拒絶。女性はふと、思い当たった。「お母さんが話したせい?」。恐る恐る尋ねると、息子は「(妻は)そういう話もしていたね」。

 がくぜんとした。「まさか……こんなことになるなんて」

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