ソフトバンクGなぜ赤字 ライザップ予言の専門家に聞く

有料記事

聞き手=松浦新 井上亮
[PR]

 ソフトバンクグループ(SBG)が今月発表した2019年9月中間決算は、155億円の営業損失(赤字)となりました。19年3月期には2.3兆円という巨額の営業利益を計上していたのに、短期間で一気に赤字に転落した背景に、何があったのでしょうか。企業会計に詳しい会計評論家の細野祐二さんに聞きました。(聞き手=松浦新、井上亮)

 細野さんは、AI(人工知能)を活用しながら上場企業の財務諸表を独自に分析し、投資家らに警鐘を鳴らす活動を続けています。昨年夏に公表したトレーニングジム大手RIZAP(ライザップ)の財務分析では「赤字転落は避けられない」という見通しを示し、ライザップは実際、19年3月期決算で赤字に転落しました。

 細野さんは10月下旬に開いたセミナーで、SBGの財務分析結果を明らかにし、同社の資金繰りの厳しさを指摘していました。

利益から損失へ大きくぶれた理由は?

 ――SBGの赤字転落をどう見ますか。

 「5月に上場した米配車大手ウーバー・テクノロジーズの株価が低迷し、続けて米シェアオフィス・ウィーワークの上場が延期されました。私はウーバーで第1四半期と第2四半期合わせて5千億円、ウィーで第2四半期に9千億円、合計1.4兆円の損失が計上されたと見ています」

写真・図版

 ――利益と損失がここまで大きくぶれるのはなぜですか。

 「ポイントはSBGの会計基準にあります。19年3月期の営業利益は、トヨタ自動車に匹敵する史上空前のものでした。これはSBGが『国際会計基準』を採用している影響が大きいのです」

 ――会計基準で損益がそんなに大きく変わるのですか。

ここから続き

 「SBGの会計は、以前は日…

この記事は有料記事です。残り2404文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら