もはや世界は「気候危機」 100年に一度の表現やめて
エネルギーを語ろう
国際社会が温暖化対策を加速させています。9月の国連気候行動サミットでは、多くの国が2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすると表明し、国際企業も再生可能エネルギーでつくる電気への転換を進めています。日本の取り組みはどうあるべきか。来月スペインで開かれる第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)を前に、WWFジャパンの末吉竹二郎会長に聞きました。(聞き手=小森敦司)
気候変動、もはや「人類の危機」
――日本は今年、深刻な台風被害を経験しました。異常気象は日本だけではない?
「はい、米CNNテレビは『毎日、毎週が異常気象だ』などと報じています。メディアをはじめ世界の多くは、もう『気候変動』と言わず、『気候危機』と呼んでいます。人類の危機なのです。だから国連のサミットで、グテーレス事務総長は『温暖化との闘いに負けるな』と叱咤(しった)激励し、77カ国が、温暖化の元凶である二酸化炭素を実質ゼロにすると宣言したのです」
「スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんが発端となり、若者ら800万人近い人が参加した世界一斉デモがサミットに合わせてありました。欧州では、大量の温室効果ガスを出す飛行機に乗る人が減っているといいます。気温の上昇を産業革命前に比べ1.5度未満に抑えようと、世界中が意識や産業構造の転換に躍起になっています」
RE100とは?
――企業は動き始めていますか?
「そもそも、2015年にパ…
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