ふるさとチョイスの仕掛け人、次は賞金1億円のロボコン

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小泉浩樹
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 賞金総額100万ドル(約1億円)のロボットコンテスト「グローバルイノベーションチャレンジ」が、来年9月に茨城県つくば市で初めて開かれます。ロボットの形は自由。ただ、下半身にまひがある人が操作することが条件です。このような高額の賞金がかかったロボコンは、日本ではほとんど例がないといいます。開催の背景には、実行委員長の長年の夢がありました。

10年かけても

 コンテストは来年9月中旬、つくば市の小学校跡地を舞台に開かれる。体育館や校庭に、ひとり暮らしの家を想定した住宅や横断歩道など日常生活の場面を設定。参加チームに所属する下肢まひのある人が支援ロボットを操って、「夜のトイレ」「買い物」「入浴」といった10の課題に挑む。

 例えば「掃除」の課題には、

①床のごみが無くなる

②掃除機のごみをごみ袋に入れられる

③ごみ袋を結べる

④家の外の所定の位置にごみ袋を置ける

⑤15分以内に完了する

という達成基準が設けられている。課題をクリアできたかどうかは、達成基準に基づき主催者が判断する。

 半身不随の人が車いすを使わずに、健常者と変わらぬ生活を送れるように――。課題や達成基準は、その思いを実現するために設けられたものだ。

 ヒントになったのは、東日本大震災をきっかけに米国防総省が始めた災害用ロボットのコンテストだ。高額の賞金を得ようと、米国以外からも大学や企業などの優秀な参加者が集まる。多くの参加者が同じ目標に向かって切磋琢磨することで、技術革新が起こるはずだ。そうした考えに基づき、「アメリカ方式」でのコンテストを実施する。

 それぞれの課題ごとに達成賞金が定められており、1から10までの課題に順番に挑む。複数のロボットを使っても構わない。10の課題全てをクリアすると計100万ドルの賞金が得られる仕組みだ。複数のチームが同時にクリアした場合、賞金は均等に分配される。また、課題を一度クリアしたチームが出ると、それ以降のコンテストで同じ課題をクリアしても賞金は出ない。

 来年9月以降、コンテストは3月と9月の年2回開く予定。10の課題全てがクリアされるまで10年程度かかると見ており、その間は継続したい考えだ。国外にも参加を呼びかける。

ふるさとチョイス成功の裏で

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 実行委員長を務める上村龍文…

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