平成を超える約11万9千人が詰めかけた、10日のパレード「祝賀御列の儀」。天皇、皇后両陛下は終始笑顔で、雅子さまが涙ぐむ場面もあった。祝福の声が広がった一方、人出の多さや厳重な警備に振り回されたり、困惑したりする人もいた。
皇居正門近くには、朝から大勢の人が集まった。最前列にいた神戸市の会社員鈴木和夫さん(35)は、前日夜を都内の漫画喫茶で過ごし、午前4時に現場に着いたという。「日本史に残る大イベント。令和の時代が始まる実感を得たくて」
午後3時、皇居・宮殿前。宮内庁職員や皇宮警察官ら約600人が並ぶなか、天皇、皇后両陛下がオープンカーに乗り込んだ。車列が現れると、沿道の数千人の観衆がスマートフォンをかざし、旗を振って歓声をあげた。
祝田橋交差点付近には10列を超える人垣ができた。埼玉県の女性(80)は、上皇ご夫妻の結婚(1959年)と即位(89年)、天皇、皇后両陛下の結婚(93年)に伴う三つのパレードを現場で見たという。「苦労をされた雅子さまが最近、活躍されている姿を見られてうれしい。頑張ってと伝えたくて来ました」と話した。皇后さまは沿道の歓声にこたえるなか、涙目になるなど感激した様子を見せていた。
パレード後半の青山通り。通りに面したビル4階にある滝沢デンタルクリニック(東京都港区)では、なじみの患者や従業員ら十数人が見守った。台風で被災した千葉県在住の患者もいるといい、滝沢友日子(ともひこ)院長は「災害の多い大変な時代。お若い天皇なので日本を良い方向に引っ張ってもらいたい」と期待を込めた。
一方、多くの人出や厳しい警備に振り回された人もいた。仮設トイレに数百人が順番待ちをし、手荷物検査場の列は最後尾が見えないほどだった。国会図書館が休みとは知らずにやって来たという埼玉県鶴ケ島市の佐藤光徹(こうてつ)さん(81)。パレード前に帰宅しようとしたが、「厳しい警備で最寄り駅までどうやったらたどり着けるのか」と困惑の様子だった。
平河町交差点そばのコンビニ…
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