四つの市民襲撃事件で殺人罪などに問われた指定暴力団・工藤会トップの総裁野村悟被告(73)と、ナンバー2の会長田上(たのうえ)不美夫被告(63)の公判が11日、福岡地裁であった。1998年の元漁協組合長射殺事件の審理が始まり、元組合長の息子である男性が検察側の証人として出廷した。
元組合長(当時70)は98年2月、北九州市小倉北区の路上で、頭や胸などを撃たれて死亡した。実行犯の確定判決は、工藤会が港湾事業に関する利権介入を拒まれたことが背景と指摘している。
「年老いた父を殺されて、本当に悲しい気持ちと怒りを覚えた」。男性は、別室で話す「ビデオリンク方式」で、遺体と対面した時のことを振り返った。
事件後には、田上被告から「表…